特別養子縁組とはー手続き、条件、年齢、費用などまとめ

今回の記事は、「特別養子縁組」についてです。
皆さんは「特別養子縁組」をご存知ですか?
特別養子縁組は、生みの親がどうしても育てることができない子供に、新たな家庭を与えることを目的とした、子供のための養子縁組制度です。
この制度によって、子供が新たな家庭で愛され、健やかに育つことが保障されるだけでなく、子供を育てられない生みの親も救われ、子供を迎えた夫婦は、子供と共に家族として成長することができます。
この特別養子縁組を、新しい家族を迎えるための選択肢として考えてみてはどうでしょうか?
これから、この特別養子縁組制度について、少し詳しく説明していきます。
<目次>
- 特別養子縁組とは?普通養子縁組との違いは?
- 特別養子縁組の条件
- 特別養子縁組の手続き
- 特別養子縁組での子供との出会いー紹介機関
- 養親になるためのステップ①ー調査・面接・研修
- 養親になるためのステップ②ー試験養育期間
一般的な普通養子縁組は、子どもと養親の間に法的な親子関係が結ばれますが、子どもと生みの親との法的な親子関係は終了しません。
また、手続きは比較的簡単に行えます。
特別養子縁組の場合は、縁組の成立によって生みの親と子どもの法的な親子関係は終了し、養親だけが子どもとの間に法的な親子関係を結ぶことになります。
縁組にあたっては家庭裁判所の許可が必要になりますし、養親の都合で離縁することはできません。
次に、特別養子縁組の条件を説明します。
特別養子縁組は、民法で定められています。
主な条件は以下の3点です。
1 養親となる者は婚姻している夫婦であること(夫婦ともに成人していて、少なくとも一方が25歳以上であること)
2 養子となる者の年齢が原則として15歳未満であること(以前は6歳未満でしたが、2020年の民法改正で対象年齢が広がりました)
3 原則として実父母が特別養子縁組に同意していること
続いて、特別養子縁組の手続きを見てみます。
特別養子縁組の申立ては、家庭裁判所で行います。
2020年の民法改正で、特別養子縁組は2段階の手続き(申立て)に分かれたため、「特別養子適格の確認の申立て」と「特別養子縁組成立の申立て」の2つの申立てをして、家庭裁判所に認められたのちに、戸籍の手続きを行います。
申立ての時期は決められていませんが、家庭裁判所は6か月程度の試験養育期間の状況を踏まえて判断をするので、特別養子縁組が成立するのは、早くても養子と生活を始めてから半年後になります。
まず、特別養子縁組の二段階の手続きのうち、「特別養子適格の確認の申立て」は、「この子は特別養子にしてよいのか」を家庭裁判所が判断する手続きです。
養親の申立てを受けて、家庭裁判所が生みの親や子どもの調査を行い、特別養子縁組の対象となるかを判断します。
複雑な事情がある場合には、児童相談所が申立てを行うこともあります。
次の手続きである「特別養子縁組成立の申立て」では、「養親夫婦がこの子の親になること」の適否が判断されます。
養親の人柄や生活状況、約半年の試験養育期間の様子などを、家庭裁判所が詳細に調査した上で、縁組が認められます。
詳細を知りたい場合はこちらをご確認ください↓
https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_09/index.html
養親希望者に対して、特別養子縁組を必要とする子供を紹介しているのは、児童相談所と民間のあっせん団体です。
1 児童相談所
児童相談所は公的機関なので登録費用や紹介料等はありません。
養親希望者の居住地の担当所での登録になります。
寄せられる子どもの相談はそれぞれの児童相談所の担当地域のものになるので、地域差もありますが、紹介件数はあまり多くありません。
児童相談所全国共通ダイヤル「189(いちはやく)」に電話をすると、最寄りの児童相談所が案内されます。
パソコン版一覧
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/zisouichiran.html
モバイル版一覧
https://www.mhlw.go.jp/mobile/m/jidousoudan/
民間あっせん団体の運営や実母の支援費用に充てるために、登録費用や紹介料等が必要になります。
全国各地から相談を受けている分、紹介件数は多いようです。
必要額や運営方針は団体ごとに異なります。
子どもとの出会いという人生の大事な転換点を委ねることになるので、納得できる団体を選びましょう。
2020年10月1日現在で、全国で21団体が厚生労働省の許可を受けています↓
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000690308.pdf
児童相談所も民間あっせん団体も、養親としての適性が認められた登録者に対して子供を紹介しています。
そのため、特別養子縁組制度では、養親希望者は、調査、面接、研修を受けることが必要になります。
子供が安心して健全に育つことができるかどうか、という養育環境の調査です。
この調査には、収入についての調査も含まれています。
養親希望者に対する面接で、人柄など、養親に適する人物かどうか確認をします。
養親が揃って面接を受けたり、個々に面接を受けたりします。
数回にわたって面接されることもあります。
研修では、子供を育てていくために必要な心構えや、子供との接し方について学びます。
実際に施設や里親の家庭を訪問して、子供と接する実習も行われます。
なお、養子の成長を後々まで見守るためには、養子と養親の年齢が開きすぎていないことも必要であるため、あっせん団体によっては明確に年齢制限を設けていることもあります。
調査や面接、研修が終了すると、養親候補者として登録されます。
登録後、子供の養親候補者として選ばれると、実際に子供を預かって、一緒の生活を送る試験養育期間が始まります。
家庭裁判所は、6か月程度の試験養育期間の状況を踏まえて判断をするので、これを目安として考えておくと良いかと思います。
試験養育期間を経て、家庭裁判所に対して、前述の「特別養子適格の確認の申立て」と「特別養子縁組成立の申立て」を行います。
申立てにかかる費用は、それぞれの申立てについて、養子となる者1人につき800円(収入印紙代)です。
家庭裁判所に特別養子縁組が認められたら、養親の戸籍への入籍手続きを行い、法的な親子関係を結ぶことができます。
民法第817条の2による入籍という但し書きはありますが、続き柄は長男/長女と記載されます。
新しい家族としての暮らしのはじまりです。
特別養子縁組は、基本的には、養育環境に恵まれない子供たちのためにある制度です。
ですが、自分たちの家族に子どもを迎えたいと思っている方々にとっても、きっと人生を豊かにしてくれるものと思います。
今回の記事は以上となります。
妊活・不妊治療を経てもなかなか子供が授からない場合に、特別養子縁組は一つの選択肢かと思います。
今回の記事が、そういった選択肢を検討される方々の参考になれば幸いです。
今後も、結婚生活や妊活・不妊治療、子育てに関する記事・体験談を提供していきますので、この記事が参考になった方は、「いいね」を押したり、twitter(@forMillennials1)をフォローしたり、ブックマークやメルマガ登録いただけると嬉しいです。
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