【子育て】子供のストレスを取り除いてのびのび育ってもらうために必要なこと(前編)

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こんにちは!for Millennialsの編集者のサボテン@forMillennials1)です。

今回ご紹介するのは、子供が抱えるストレスの原因の一つとしての「コントロール感」の欠如です。

親の思いとして、子供には幸せになって欲しいですよね。

では、どうすれば幸せな人生を送れるのでしょうか?

その一つの鍵が、自分自身のことを判断し決定している感覚である「コントロール感」の有無です。
(コントロール感は、自分自身の人生に関して舵取りをしているという自信と言い換えても良いです。)

子育てをしていると、「あれをやりなさい、これをやりなさい」とついつい言ってしまいがちですが、このようなコミュニケーションが子供のストレスになっていること、このようなコミュニケーションの子供が大人になった時への悪影響などを見ていきます。
※後者については、私が霞ヶ関の官僚や経営コンサル時代の高学歴だが仕事ができない同僚の例も引きながらご紹介します。

子育てで悩まれている方の参考になる情報が詰まっていますので、ぜひご覧ください!

  1. 「コントロール感」の欠如が子供のストレスを生む
  2. 「コントロール感」を子供に持たせるための具体例
  3. 誰の人生?

1. 「コントロール感」の欠如が子供のストレスを生む

「あれやれ、これやれ」は子供を不幸にする

子育てをしていると、子供に対して、あれをやりなさい、これをやりなさい、とついつい命令口調で、まるで先生のように接してしまうこと、ありませんか?

例えば、子供が小学生や中学生であれば「算数の宿題はもうやったの?やってないなら早く終わらせなさい」であったり、幼稚園児であれば、「お野菜もちゃんと食べてね。好き嫌いは良くないから。」、高校生であれば「部屋が散らかってるじゃない。ちゃんときれいに片付けなさい!」といった具合です。

親としては、そういう命令口調のコミュニケーションで伝えた方が端的ですし、子供が素直に従ってくれれば最も労力がかからないので、命令口調のコミュニケーションを取ってしまう方も多いと思います。

ですが、子供自身に判断をさせない、このような親子感のコミュニケーションは、子供のストレスを生み、学習を妨げ、将来的な幸福を損なうリスクがあることが分かってきています。

自分自身に関する物事への「コントロール感」がストレスや幸福度と密接に関係

過去60年間に渡る研究によって、子供が自分自身に関することをコントロールしているという感覚、自分自身の努力で人生を方向付けているという自信(以下「コントロール感」と呼びます。)が、子供のストレスや幸福感と密接に関係していることが分かってきました。

コントロール感があることによって、ストレスは減少し、情緒は安定します。また、モチベーションの向上や自律性の向上によって、成績が向上したり将来成功する機会も増えることが分かっています(※)。

さらには、コントロール感があることによって、体の健康が改善し、アルコールやドラッグの使用が減り、寿命も伸びる、ということも海外の研究で明らかになっています(※)。

※出所:Jonathon Haidt and Judith Rodin, “Control and Efficacy as Interdisciplinary Bridges,” Review of General Psychology 3, no. 4(December 1999): 317-37. Joseph Powers et al., “The Far-Reaching Effects of Believing People Can Change: Implicit Theories of Personality Shape Stress, Health, and Achievement During Adolescence,” Journal of Personality and Social Psychology(2014)など

2. 「コントロール感」を子供に持たせるための具体例

「コントロール感」を持たせるための選択肢の例(幼児の場合)

それでは、自分自身に関することをコントロールする、というのは例えばどういうことでしょうか?

いくつか例を挙げてみます。

例えば、野菜を食べたくない、という4歳の子供に対しては、残しているお皿の中身を二つに分けて、どちらの野菜を食べるのか選ばせることがこれに当たります。

自分自身に選択権がある、という状況に子供は満足し、(選択肢が示されない場合に比べて)より野菜を食べるようになります。

小さい子供の場合であれば、明日の幼稚園に着ていく服は、Aの組み合わせとBの組み合わせとどっちが良い?というような選択肢を示して、自分で決めさせるということもあるでしょう。

大切なのは、親が何でも決めるのではなく、子供に選択肢を示して、自分自身で考えさせ、決定させることです。

子供が小さい頃は、上の例のように、身の回りの簡単なことについて、選択肢を示し、決めさせると良いでしょう。
子供が大きくなってくるにつれて、子供に「任せる」事項を増やすイメージです。

「コントロール感」を持たせるための選択肢の例(小学生の場合)

小学生の場合、身の回りのことから一歩踏み出て、例えばですが、宿題をするかどうか、といった選択肢も子供に委ねると良いでしょう。

まず、毎日ガミガミと宿題をやりなさい!という「宿題戦争」を繰り広げるより、親も子もストレスがありません。子供に家が安心できる場所である、というメッセージを伝え、安心させることができます。

親としては、宿題をやったのか?必要であれば(わからないところがあれば)手伝うよ、という提示を行うだけにとどめ、実際に宿題をやるかどうかは子供に委ねます。

もちろん、宿題をやらずに翌日先生に叱られたり、恥ずかしい思いをしてしまうこともあるでしょう。
ですが、それは子供の選択の結果です。
もっと言うと、その次にどのような選択肢を選ぶかも子供が自分自身の責任において行うべきです。

二度と皆の前で先生から叱られたくない、恥ずかしい思いをしたくない、と思い、次からは自発的に自分で宿題をやる、という選択をとる子供もいるでしょう。

あるいは、それにも懲りず、引き続き宿題をせずに、成績が下がり続けてしまうということもあるかもしれません。

ですが、その場合でも、親はグッと堪えるべきです。
もちろん、例えば「このまま成績が下がったら、仲の良い○○君と別々の中学校になってしまうかもだけど構わない?」とか、「後で学習の遅れを取り戻すのは大変で塾に通ったりしないといけないかもしれないよ?そうすると✖️✖️をする時間がなくなってしまうかもよ?」など、行動の結果生じる可能性があることについてのアドバイスは子供の味方として行うべきですが、宿題を無理に子供にやらせようとしてはいけません。

同じ理由で、塾や習い事を続けるかどうか、といった判断を子供に委ねるということも、検討すると良いでしょう。

継続する場合のメリット・デメリットと、通うことをやめた場合のメリット・デメリットについては親として提示するものの、最終的な判断は子供に委ねるのです。

子どもに選択肢を委ねてうまくいった親御さんの体験談もありますので、ご関心ある方はこちらもぜひご覧ください。

3. 誰の人生?

子供の人生は子供のもの

ここで紹介したような、子供の「コントロール感」を増すための選択肢の提示例には、共通する大前提があります。

それは、「子供の人生は子供のものである」という、ある意味で当たり前の大前提です。

子供の人生は親のものではありません。

子供が失敗するのを心配して先回りしてしまい、ついつい口うるさく、あれこれ言ってしまうことは理解できます。

ですが、いつかは子供は親元から離れます。

そうなったときに、自らの責任で判断し行動できるかどうか、は極めて重要です。

ずっと親が進むべき道を示してきたような子供は、急に社会に放り出されてしまうと、自ら考え、判断し行動することができない「指示待ち人間」になるリスクがあります

きっと誰か(教授や上司や友人たち)が、自分が進むべき方向や行うべきことを示してくれる、と心のどこかで考えてしまうのです。

自分自身の人生に対するオーナーシップがない、と言い換えても良いと思います。

働かれている方はお分かりかと思いますが、このような「指示待ち人間」は基本的に社会で損をします。

例え良い大学の出身であったとしても、自ら考え、問いを立て、解決・行動しようとしない人間は評価されません。また、このような行動パターンは、一朝一夕で身に付くものではありません

私は元々、霞ヶ関の官僚や経営コンサルタントをしており、周りには東大卒、京大卒などがゴロゴロいましたし、英語を喋れる人間も多数いました。

その中には、もちろん仕事の面で優秀な人が多くいましたが、その一方で、自らの頭で考え、問いを立てられない、判断できないような人間も散見されました。

そしてそのような人間は、仕事で評価されず、辛い思いをしてしまうのです。

多少の失敗は失敗でなく成長のための投資

大人になってからこのような苦しみを味わったとしても、人生100年時代と捉えれば、いつでも挽回できるという考えもあるでしょう。

ですが、大人になってからの失敗は、挽回するのに時間がかかります。大人になってから、その人の物事の捉え方や価値観を変えるのは至難の技です。このことは、後輩や部下の指導・コーチングをした方であれば、お分かりになるでしょう。

また、そもそも、子供時代に「コントロール感」を育むことによって、このような大人になってからの大失敗を回避することは可能です。

そう考えると、宿題を一時的にしなくて先生に叱られることや、成績が多少下がってしまうことなど、とるに足らない失敗です。というか、失敗ですらありません。

子供が自分自身のことを判断・決定できているという感覚、自分自身の人生を方向付けているという自信を養うことができ、能動的に考え・動くような人間になれるのであれば、これらは失敗ではなく、むしろ成長のための投資と位置付けるべきでしょう

子育てをされている親の方には、中長期的な目線で、今の子育ての場面場面を位置付けていただくと良いのではないでしょうか。

前編はここまでです。
後編では、コントロール感の欠如以外の、子供のストレスの原因について、見ていきたいと思います。

(後編記事はこちらからどうぞ)

今後も、子育てに関する記事や体験談を提供していきますので、この記事が参考になった方は、「いいね」を押したり、twitterをフォローしたり、メルマガ登録いただけると嬉しいです。

皆さんのアクションが次の執筆意欲に繋がりますので、ぜひよろしくお願いします!

「コントロール感」について詳しく知りたい方は、こちらの本もどうぞ↓
海外の研究も引きながら詳細に子供のストレスや幸福感について語られています。オススメです!

セルフドリブン・チャイルド 脳科学が教える「子どもにまかせる」育て方

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